「え……?つ、椿!?」
反射的に顔を上げると、後ろに立っていた椿が上から私を見ていた。
「ラテアートだろ、それ」
「うっ、うん……!」
一週間ぶりの椿の登場にビックリした。
椿は最上階のクラスだから会う機会がなかったのかな?
「すごいなお前。クオリティ高いからすぐタヌキだってわかった」
あと何回ネコって説明すればいいんだ……。
「明里の顔見るの久しぶり」
ネコのラテアートをタヌキ呼ばわりされた私の不満なんてお構い無しに、椿はすっと隣に座った。
「なに不満そうな顔してんの?」
「……だってこれ、そんなにネコに見えないかなって、思って」
「逆にどう見たらネコに見えるの?」
「……」
椿は不思議そうにラテアートを再び見つめていた。