エスプレッソだかコーヒーの上に絵が描かれたあのラテアートを?と疑問でしかなかった。
けれどローランド先生いわく、
「どんな時もおもてなしの心を忘れてはいけないわぁ。たとえカフェラテ一杯であっても、ホッと心温まる絵を描いてちょうだいねぇ!」
……と、芸術センスと調理力を問われたカリキュラムらしく、私も意気込んで初めてのラテアートをやった結果。
「いやぁぁぁぁぁ!!これはなんですの!?」
ローランド先生の勇ましい悲鳴が響いた。
「あの、これは……っ」
「ぎゃあぁぁぁぁ!!と、と、豆腐屋が、ラテアートでバケモノを生み出しているわ!!」
いやだから、これはネコなんですけど……。
結局ローランド先生には口さえつけてもらえなかったカフェラテがこれだ……。
本当にこの先どうしよう。
「なにそれ?」
その時、不意に頭上から声が降ってきた。