「ごっ、ごめんなさい!私が公園でドッジボールをしよって……誘ったんです。だから、椿を叱らないでください……っ」
その辺にある物でも見るかのように視線を移した椿のお父さんは、
「隣の家の娘か。なるほど、キミが」
……と呟きながら、酷く冷たい眼差しで私を見下ろした。
「まだ子供のキミには立場というものがわからなくても仕方がないからね。出来ることなら椿に構わないでもらいたいものだが。まぁ、嫌でもそのうち思い知るだろう」
なにを言っているのか私には理解出来なかった。
怖い人だと感じて身体がカチコチになっていったと思う。
「黒崎。椿を甘やかすな。しっかり目を光らせておけ。そしてお前も、二度はないと思え」
「申し訳ございませんでした……!!」
黒崎さんは私と椿のお願いを聞いてこっそり公園まで着いてきてくれただけなのに、あんなに怒られてしまうなんて。



