「椿!?この絵、ぐちゃぐちゃだよ!書き直した方がいいんじゃない!?」
「その俺の絵、ロンドンの美術館に展示されるんだけど」
「……!?」
芸術の先生と描いたっていう椿の絵はよくわからなかったけど、絵のコンクールで賞までもらっていて驚かされた。
そうやって私と椿は一緒に過ごす時間の中で、お互いの知らないものを教え合っていった。
キラキラして心が踊る。
椿と過ごす時間は夢の中にいるみたいで輝いていた。
けれど、椿のお父さんはそれをよく思っていなかったのだ。
「なにをしている、椿。こんな場所へ行っていいと許可した覚えはないぞ」
ドッジボールをやってみたいと言われて、公園へと椿を連れ出したある日、車で迎えにきた椿のお父さんは怒り心頭だった。



