キングサイズのベッドはカーテンみたいなものがヒラヒラついていて、シワひとつなく整えられたシーツの上にはクッションがいくつも並んでいる。
ふかふかのソファーに走り回れるくらい広い真っ白な床。
「うわぁ!綺麗だね!」
バルコニーからは庭の噴水も見下ろせた。
「この白と黒の馬はなぁに?」
「チェスだよ。知らない?」
「………チェス?私オセロなら知ってるよ!」
「……」
お互いの世界を教え合って遊ぶ毎日は、ひたすら新しい発見ばかりでワクワクした。
「緑川小学校?俺と同じだ」
「ホント?じゃあ私達、一緒の学校なんだね!やったぁ!」
私立学校ではなく私と同じ学校に通うことになったのは、椿のお母様が「他の子と同じ世界で、のびのび勉学に励んでほしい」と言ってくれたからだそうだ。
もちろん椿は、車での送り迎えが当たり前だったけど……。



