「あ、あのね!バス停なら反対側だよ!ここは私のおうちで、お豆腐屋さんなの!」
「間違えた。ごめんなさい……」
「ううん!知らなかったんだからいいの!」
「俺……今日初めてひとりで茶道の稽古に行くんだけど、バス停がわからなくて」
サドウ……ってなんだろ?
よくわからないけど、習い事をしてるんだ。
でもひとりって言ってるけど、ひとりではないよね?
私のお豆腐屋さんのそばの電柱や道には、スーツを着た男の人が何人もいて、こちらを見ているし……。
きっと絵本で見たことがある、王子を守る人達なのかもしれない。