「……あの、お豆腐はいかがですか?」
男の子はキョトンとしている。
「おとうふ………って、なに?」
「えっ。し、知らないの?お豆腐ってこれだよ!」
お豆腐を知らないことに私は驚いて、ボウルに入った出来たのお豆腐を見せる。
「……」
「あなたは、お使いに来たんじゃないの?」
すると男の子は首を振ってこう言ったのだ。
「俺、バス停っていうものを探してるんだけど、ここで合ってる?」
いや、ここ私の家なんだけど……。
いくら古くて小さくてボロだからって。
「でも黒崎が……黒崎って俺の側近なんだけど、家を出てすぐ隣だって言われて」
クロサキ? ソッキン?
「ん?隣って……えっ!!もしかして、お城の人!?」
「お城?隣にあるのは俺の家だよ」
わぁっ、お城の住人だ……!!
す、すごい……!!
隣のお城にはこんなに素敵な男の子が住んでいるなんて。