けれど椿は、真剣な眼差しで私を見据える。



「悪いけど、もう抑えらんないよ?」


「え?」



椿の大きな手が、ゆっくりと私の頭の後ろに回される。


あっ、と思った時には、椿の見惚れるほど綺麗な顔が目の前にあって……。



「だから、覚悟して?」



今度は唇と唇が触れてしまいそうな距離で、甘く囁いた。



ドキッ……。


子供の頃とは違う、 私の知らない椿の素顔が見えた気がした。


ただの幼なじみから、なにかが変わりそうな予感に戸惑いながら、熱くなった顔を背けるしかない私。



ドサッ!!!!


そんな光景に、いよいよ倒れたお嬢様を執事が慌てて抱えている……。




幻の称号を手に入れるためにここに入学したけれど。


明日から防弾チョッキを着て登校することになりそうです……。



お父さん、お母さん。


防弾チョッキのご購入を検討してはくれませんか………?