「記事にしても構わないよ」


「椿様……っ!」



ちょ、ちょっと待ってよ!!!


いくらなんでもあんまりだよ。


椿まで、そのことに賛成するの……?



「でも、記事の内容は間違えないでくれる?追いかけてんのは俺の方だから」



涼しげな笑みを浮かべる椿。


だけど、今の私はお嬢様よりもずっと驚いた顔をしていると思う。



小さな頃から一緒に過ごしてきたとはいえ、椿が私を追いかけてるなんて聞いたことないんだけど……。



「なのに、全然気づいてくんないんだよね」



誰もが言葉を失っているっていうのに、椿は顔色を変えることなく再び私を見る。



「……椿?」



ゆっくりと目線を合わせるように私の前に片膝をついた。