「絶対嫁にもらう」
「ちょ、離して……っ」
「やだ。無理。離すわけない」
椿の膝の上に乗せられて、向かい合う形になる。
椿は満足そうに私を見上げる。
「だ、ダメ。甘やかさないで!私は自分の力で、ラスボスに認めてもらうんだからっ」
ドキドキして恥ずかしくて、精一杯、私は反論したのに。
「じゃあ、親父に怒られて明里がへこんでたら───」
私の頭の後ろに手を回す。
あっという間に椿の顔の方へ引き寄せられる。
「ヘトヘトになるまで甘やかしてあげる」
「……っ、」
吐息混じりに囁いた椿の声に、心臓が止まりそうになる。