「ねぇ。今、子供の頃って言った?」
ギクリッ。
私の正面に座っている火神さんが不思議そうに問いかけてきた。
「実は、そうなんです。さっきは言いそびれてしまったんですが……」
「あーー。なるほどね。理解したわ。外部入学の人間が王子の幼なじみって噂を聞いてたけど、あれ明里のことだったのね?」
「はい……」
「ほーほー。だからさっき王子のこと名前で呼んだんだね」
納得納得!と、謎が解けたように火神さんは頷いている。
「さすが“ 火神組 ”のお嬢だな。相変わらず察しがいい」
「まぁね。わたしは他のお嬢様とは違うし?」
ひ、火神組……?



