多目的ホールや教室を解放して、立食パーティーのような空間になっている。



「いい香りだね。頂くことにしよう」



それぞれが華やかに飾り付けされた廊下に立ち、ご挨拶からのお声がけをして料理を振舞っている。



まるで文化祭みたいに色んな人々が行き交って、一般の方の入場もあるから、小学生くらいの子供達もいたり。



うぅ……。


しかし私は非常に厳しい状況に立たされている。


先ほどから来賓の方々に声をかけてはいるのだけど、誰ひとり興味を持ってくれないのだ……。



そりゃオパールエビのなんとかに比べたらおからクッキーは存在が薄い……。



ラッピングした状態のクッキーをいくつもカゴに入れて立っているのだけど。



「ティッシュ配りのバイトか」



そんな私を見た戸澤くんに突っ込まれてしまった。