婚約の話も聞けず、ましてや自分の想いを伝えることさえ迷ったまま、おもてなし会当日を迎えた。
ついにやってきた……。
この会が終わりを迎える頃、私も最終評価が下されるだろう!
全ては今日のため。
だから、たとえ椿のことが頭から離れないままでも、今この瞬間に全力を出すのみ……。
SSランクの評価がもらえなければ、ローズクイーンにはなれないのだから。
すなわち、その時点で私はこの青薔薇学園追放、ラスボスとの契約通り、お店も救ってもらえないまま北国へと帰ることになる。
……椿の前から、消える。
「よろしければ、オパールエビをふんだんに使用したパスタを召し上がってくださいませ」
早速、お嬢様方が来賓の方に声をかけているではないか。
出遅れた感が半端ない………。