「でも、創立以来史上最速、14歳で称号を物にしたもっとすごいのがいるけどね」


「まだすごい人がいるんですか!?」



この学園は異次元すぎる……。


圧倒される私をよそに、なにやら廊下が騒がしい。



「きゃあぁぁぁぁぁ……っ、」


「あぁ……どうしてあの方がこの階にいらしてるの!?」



次第に大きくなる悲鳴……いや、歓声?


私は歓声が湧き上がる教室の入口へと目を向けた。



「お出ましかな?100年に一度の逸材。幻のプリンス───」



女の子の甘い叫びに火神さんは息を吐いて笑うと、その気高い王子の名を口にした。



「────それが、星ノ宮 椿だよ」