────“庶民の本気を見せてくれ。お手並み拝見といこう”
火神さんには言いそびれてしまったけれど、私を推薦してくれたあの人の声がふと蘇った。
……ハードルが高いなんてものではない!
世界一高いドバイのビル並に高すぎるって!!(なんと829.8メートル)
も、もう、気絶しそうだ。
「まだ諦めることはないよ。明里が頑張るってんなら、わたしは応援するし。それにローズクイーンの称号を持ってるのはわたしと明里と同じ学年の人間だよ」
「え!?同じ歳の子が!?」
「そ。中等部3年の時、女子で初めて手に入れたハイスペックなお姫様ってわけ。明里にアドバイスしてもらえないかとは思ったけど、今はフランスに留学中だから、ここにはいないんだよね」
「……そ、そうなんですね」
おフランスにいらっしゃる、ローズクイーンのお嬢様……。
どんな人なんだろう。
きっと、想像を絶する完璧なお姫様なんだろう。
だがしかし、さらに驚くのはこの後だった。