「よく考えてんじゃん?」



椿は言いながらポンッと私の頭に手を乗せて、レシピを見ている。


頬がじわじわ熱くなって顔に出そうだ。


椿ってば、撫子様が見てるのに……っ。



「今度、俺ん家来たら焼いてくれんの?」


「え……でも、お母さんと練習してからじゃないと上手く出来ないかもで……」


「あ。やっぱりやめとく。それ」



へ……?


椿は私にレシピを書いた用紙を返してきた。



「椿……?」



んー、と考える素振りをしていた椿は、



「可愛い妻が料理してる姿とか反則すぎでしょ」


「な……っ!?」


「そんなん見てたら、おとなしくしてらんないだろ」



椿の不意打ち攻撃に、口をパクパクしながら私は言葉を探すも見当たらない。