「誰になんと言われようと好きなら全身全霊でぶつかっていきない!それで失恋したなら、その時はワタシが一緒に泣いてあげるわよん!」
「うぅっ、ローランドぜんぜい……っ」
思いがけないローランド先生の優しさに、その温かさに、今にも泣きそうで鼻が垂れてきた。
「んもおっ!今日だけ特別にジルのハンカチーフを貸してあげるわぁ。ほら、拭きなさい」
「あ、ありがとうございばず……っ」
そっと差し出されたハンカチを受け取る。
「ワタシなんていつどこの殿方からアプローチされるか、ドキドキして毎晩眠れないのよん!」
「……」
大柄なローランド先生のにこやかな笑みに、どんよりとした心は晴れていったのだった。



