お金に目が眩んだいやしい庶民と思われるかもしれないけれど、その称号を手に入れることが出来たら……。
私でも、お店を助ける力になれるんじゃないかなって思ったのだ。
もちろん一筋縄ではいかないことは覚悟している。
「────でも当然、面接は推薦がないから落選してしまって。だけど、私を推薦してくれたのが」
……と、言いかけて、フリーズしている火神さんを見る。
「……ちょっと待って明里。話はわかった。噂もホントに実在する。でも明里が言ってる称号って、SSランクの称号のこと……だよね」
ひとり呟く火神さんは苦い顔をしていた。
「SSランク………?」
その単語を呟くと、途端に周りにいたみんながざわついた。
な、なに………?
「一流の人間として認められた者にだけ贈られる、幻の称号だよ」
「幻……」
私はゴクリと喉を鳴らした。



