* * *
次の日、またしても私は机にテキストを積み上げる。
石に花咲くと言われようとも!!
今は目指せ称号である!
「……豆腐屋からただならぬ熱気が」
「え、ええ。それは凄まじいわ……今はそっとしておきましょうか……」
だから私はお嬢様達の視線を浴びようとも、目の前にある目的のために全ての意識を集中させた。
「んまっ!当初に比べたら成長したんじゃないのかしら!?」
ローランド先生が驚いて私に有難いお言葉までくれる。
姿勢、目線、声のトーン、眉の上げ具合。
「明里が鏡を見てひとりで笑っているのよぉ……!」と、両親に気味悪がられようとも、家の鏡で何度も練習した成果がでてるのかもしれない。
ローランド先生と会話する時も授業中も特に気をつけた。
……だがしかし。
歩き方の最終テストを終えた私は、緊張しすぎてふらふらしていた。



