そんなにダメですか……!?



「いいじゃない。豆腐好きだよ、わたし。ウチは和食が基本だからねぇ」



助け舟を出してくれる火神さんは、最早神にすら思える。



「ほっ、本当ですか!?是非、ウチのお豆腐を召し上がって頂きたいです!」


「今度ありがたく頂くよ。明里の家の豆腐、楽しみにしてるね」



……本当に火神さんっていい人だなぁ。



「差し出がましいようですが、お嬢。いいんですか?外部の人間とは距離を取るようにと、組の方からも……」



火神さんの側近だろうと思う男の人が耳打ちしている。


怖そうだな、顔面が歩く凶器かと思う……。



「変な心配しないでよ。明里は豆腐屋だよ?ウチの家の命を狙ったりはしないって」



家の命?


………本当に火神さんはどこのお嬢様なの?


私なんかが親しく会話してて大丈夫なのかな。



「でさ、明里はどうしてここに入学したの?わたしは初等部からだけど。外部入学は、特別な推薦がないと無理だって話じゃない?」



私の心情とは裏腹に、火神さんが陽気に問いかけてくる。



「……えと、実はある目的があって」


「目的?」