***
あの日から、火神さんが学校を欠席して3日が経った。
「おい榎並。息してるか?」
休み時間、私の隣にやってきた戸澤くんが声をかけてきた。
「息はしてる……でも心が……心が痛い」
「榎並お前なぁ……。失恋した女子かよっ」
うぅ……。
戸澤くんの言うように失恋とまではいかなくても、完全に私の片想いだろう。
「だって……火神さんに、あんな苦しそうな顔をさせちゃったんだよ?私が聞いたことで、傷つけたのかもしれない……」
「お前は火神の彼氏か……」
「いや、片想いです……」
このまま火神さんが目も合わせてくれなかったらどうしよう。
考えただけで怖かった。
「それなら、両想いじゃねぇの?」
「両想い!?」
私と火神さんが………?



