お嬢様達はうっとりした眼差しでふたりを見つめると、
「存在が罪な御方」
「なお存在が性的なことを連想してしまいそうなほどの御二方」
「見ているだで呼吸器官に障害が生じるほどだわ……」
なに言ってるんだ。
大丈夫か、ここのお嬢様達……。
「星ノ宮!キミが近いと僕の動悸が治まらなくなるっ!責任をとれよ……っ!」
……蒼ノ月様が大変誤解を招く発言までするから厄介だ。
「治まんなくていいから帰るぞ」
「指図をするなよ」
「ふーん。じゃあ有栖川からマイナス評価もらうことも覚悟しろよ?」
「そ、それはダメだ……嫌だ。本来なら拒んでいるところなんだがっ、仕方ない!今は帰ることにしよう」
既に出口へ向かっていった椿を追いかけて、蒼ノ月様は駆け足で去っていった。
椿ってば、あの王様を手懐けてない……?



