まもなく息が止まりそうな蒼ノ月様。
か、か、顔色が……。
「ぷはぁっ……!!なんてことをするんだ!星ノ宮っ!」
「なにって。阻止?」
手のひらをぱっと離すと、真顔でシレっと答える椿に蒼ノ月様は顔を真っ赤にする。
「ふざけるなよ!この僕が姫に口づけをしようとした歴史的瞬間だったというに!」
私の拒否反応伝わってないですか……?
ここまで自意識過剰な人も私の歴史上初めてだ。
「お前ごときに簡単に奪わせると思ってんの?」
「なっ!?」
「俺でさえ目覚めのキスすら耐えてんのに?」
椿は私を見つめて不敵に笑う。
不覚にも心臓がドキンッと音をたてた。
こんな状況だっていうのに、ドキンッじゃないでしょ、私……。



