「ますます欲しくなるね」
「……欲しい?」
「どおりで、あの星ノ宮がムキになるわけだ。キミにそんな愛らしい顔をされたら、手放したくはないだろうな」
「っ、」
「せっかくふたりきりなんだ。キミのことを知りたい」
「私の、ことですか?」
「いつもどんな場所で食事をしているんだ?」
やっぱり食事に大変こだわりを持っていらっしゃるみたいだ……。
そもそも、どこって聞かれても……
「………家です」
外食なんかまずしない私はそれ以外に答えようがない。
「山小屋のような暖暖としたキミの家の創りは非常に興味深いが、いきなり上がらせてもらうわけにはいかない」
だからそれただのディスりですって……。
「キミのいつも行く場所で構わない」
「そう言われましても……」
一度食事をともにしたら蒼ノ月様の気が済むんだろうか。
あ……。
料亭とかフレンチレストランとか無縁の私だけど、唯一思いついた場所があった。



