「私だって、同じ顔してる……かもしれないから……っ」
恥ずかしい……。
それなのにこんな言葉を口にしてしまったから、胸がバカみたいに高鳴っていく。
だけど、それは私の素直な気持ちで。
「バカ。そういうことどこで覚えてきたんだよ……っ」
眉根を寄せる椿の顔がほんのりと赤く染まっている。
「この状況でそれ言うとか卑怯だろ。もうこの盆栽投げていい?」
「えっ!?」
「じゃなきゃお前のこと抱きしめらんないだろ」
「だ、ダメ……っ!!」
投げるのも、こんな廊下の真ん中で抱きしめるとか、どっちもダメに決まって……
「明里くん!」
その時、背後から名前を呼ばれ、その声の主に肩を震わせた。



