「なに見てんの?」


「っ、あ……いや……」


「この前も言おうと思ったんだけど、そろそろいい加減にしてくんない?」


「えっ……」



突然言われた椿の言葉に、唖然とした。



いい加減って……。


もしかして度々レッスンをしてくれているけど、それが椿の負担になってたんじゃ……。



恐る恐る見上げてみると、



「お前のこと見てたら顔が緩みっぱなしになるんだけど?」


「……っ」



予想とは真逆の椿のセリフにドキンッと鼓動が揺れる。


なにか言いたいのに上手く言葉にならなくて、ただただ椿を見つめていると、



「黒崎。今俺は───」


「い、いい!黒崎さんに聞かなくてもわかるよ!」



目の前にいる椿が今どんな顔をしてるかなんて……。