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“ 可愛いひとへ。 蒼ノ月より ”
今日の朝もそう書かれたカードと一緒に置かれていたプレゼントを見て溜め息をついた。
「なるほどね?その日をきっかけに明里に夢中になっちゃったってわけだ?」
「神出鬼没すぎて困るよ……」
追い回される私を心配して尋ねてくれた火神さんに、洗いざらい事情を打ち明ける。
「蒼ノ月はさ、中等部の頃に称号を逃してんだよねぇ」
「あの蒼ノ月様が?」
「そそ。食事に対する意識や考え方ってとこで、ローランド先生からもらった評価がS。星ノ宮には一歩及ばずだったのよ」
「食事……」
だからあの時、カフェテリアで哀愁漂うお顔でポエムを……。
「星ノ宮とは犬猿の仲。王様が勝手にライバル視してるだけだけどね?」
椿のこともぶつぶつ言っていたのはそういうわけだったのか。
「うっわ。今日は盆栽か?熱心な王様だなぁ」
それこそ熱心に朝からピアノを弾きに行っていた戸澤くんは、戻ってくるなり私の机に置かれたプレゼントである盆栽を見て笑った。



