「ほんの気持ちだ。受け取ってほしい」


「結構です……」



私は両手を突き出して高速でぶんぶんで振ってみせる。



「んー。ゾウはお気に召さなかったか」



蒼ノ月様は昨日と同じように黒服さん達を連れて剥製とともに去っていく。



な、なんなの……!?



その日を境に、蒼ノ月様のプレゼント攻撃が開幕したのだ。



「明里くん。これはどうだろうか?」


「っ、な、なんですかこれ!?」


「鹿の角だ。失礼とは思ったがキミの家は山小屋にとても似ている造りだと聞いてね。キミの家のインテリアにも最適だろう」


「いりません……」



人ん家を山小屋って、自覚してないとはいえディスってるだけなんですけど……。



次の日の休み時間も、



「きゃっ!突然現れないでください!」


「今日は手ぶらで失礼するよ」



蒼ノ月様を見たところ本当になにも持っていないことにホッとしたのも一瞬だった。