「私……消されないの?」


「消される?ずいぶんとおかしなことを言う姫君だな」



……と。

蒼ノ月様は私を見るとクスッと笑った。


先ほどまて退屈そうだった目元がくしゃっと緩くなる。



「……私が蒼ノ月様と食事、ですか?」


「どうしてもキミと食事がしたい」



いやいや、待ってください……。

どういった理由でこうなったんだろうか。



「こんな私と一緒に食事しても……また不快にしてしまうだけです!そもそも食事の文化が違うといいますか……。それに、椿に教えてもらうことがまだまだあって……」



次の約束は華道基礎……かなり難易度が高いレッスンを椿が教えてくれることになっている。



「また星ノ宮か。アイツはいつもいつも僕の前に現われる」



ぶつぶつと不満そうになにか言っていらっしゃる……。