怖かった……。


私と天と地ほどの差がある王様に意見してしまったなんて。



校内新聞に書かれたりしないだろうか……。


今度こそ、防弾チョッキを用意しないといけなくなるかもしれない。



不安を抱えながら教室に引き返していると、


ん? なんか気配がするような。


いや、後ろから殺気が……?



────ドタドタドタドタッ!!!!



「ヒィッ!!!!」



あれは、蒼ノ月様の執事の方と、以下複数名の黒服の群れ………!?



「目標を発見!あの者を逃がすな」



────消 さ れ る 。



私の頭に浮かんだ文字がそれである。



いやぁぁぁぁぁぁ!!!!


恐怖に怯えた私は山育ちの本領発揮を見せるかのように走り出した。



「あらあら。カフェテリアが豆腐屋には場違いだと気づいて戻ってきたかしら?」



お嬢様方にこんな嫌味を飛ばされても、無事に教室に帰還したと思うと安堵の涙が込み上げる。



「うぅ……よかったぁ……」


「……き、気味が悪いわ。豆腐屋を見るのは控えましょうか」



なんとか呼吸を整えて胸を撫で下ろしたのもつかの間。