S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。



お互いの呼吸が触れ合うくらいのあまりの近さに、



「椿は、ちょっとわかってないよ……!」


「は?」


「そこまで言わなくても、私が子供の頃から誰よりも一緒にいる男の子は椿しかいなくて……それに、上手く言えないけど、他の男子とは違う気持ちになるのも椿だけ、なんだよ……?」




私は精一杯、正直な気持ちを口にした。


だけど、椿は目を丸くさせてキョトンとしている。



「あの……椿?」


「悪いけど、“ 椿だけ、なんだよ ”までしか聞こえなかったからもう一回言ってくれる?」



最後まで全部聞こえてるじゃん……っ!



「も、もう言わないったら……」



椿じゃないんだから、こんなこともう一度言えるはずないでしょ……。



「自分が思ってるより俺って独占欲強いみたい」



なんて言いながら、やっと不機嫌そうな顔からいつもの椿の表情に戻ってくれた。