「わたしも武道と居合なら教えてあげれるんだけどなぁ」


「……ぶ、武道?」



しかも居合ってあの刀を使う………?


チラリと見上げると火神さんの側近である顔面凶器が、うむ、と頷いている。



「あー、なっ、なんでもない……!ところで、次はなんのレッスンなの?」


「……えっと。次はマナーレッスンレベル1を椿に教えてもらう予定で」


「レベル1ってことは正しい食事の仕方だね。星ノ宮とのレッスンのおかげかな?姿勢もまずまずだったし、朝食会よりも難しくはないはずだよ」


「うん。ありがとう!頑張っていっぱい覚えないと!」


「わたしも和食派だから、カトラリーの使い方でローランド先生に怒られないようにしなきゃ」



カトラリーさえ知らなかった私に、ナイフやフォークなどのことだと教えてくれた。



火神さんと話しながら廊下を歩いていたその時、通りがかった教室のそばからピアノの音色が聞こえてきた。