ローランド先生も「ふぅー」と溜め息をついて顔をしかめた。



「あの……バナナは朝の果物が身体によくて、睡眠中に失われた栄養を補えるからだと母が私のことを考えて出してくれた物です……」



誰も聞いていない様子だったけど、私は発表を続ける。


椿がくれたヒントで私は気づいたことがあった。



「当たり前に食べていた朝ごはんは、全部私よりも早く起きた母が作ってくれてるもので……炊きたてのご飯が出てくるのも、寝る前にタイマーをかけてくれているからです!お豆腐も、お父さんが出来たてのものを食べさせてくれます。決して豪勢ではないですが……こうして食事について考えた時、両親に感謝する気持ちに気付かされました!」



一気に話す私をローランド先生だけは、ジッと見ていた。


カップは音をたてない……っと、気をつけながら口に運んで紅茶を飲み、私はなんとか発表を終えた。



みんなは質素な食事ね、と冷ややかだったけれど、ローランド先生はすぐに立ち上がり私の元へやってきた。