「朝日奈さん、さっそくではありますが、夕餉の準備の手伝いをしていただけますか??」



『はい!!私にできる事なら何でも!!』



「元気のいい返事ですね、では行きましょう」



『はい!!』


山崎の後を追って一花は廊下を歩いていく。厨へ向かう間に、厠やお風呂の場所の案内をしてもらい、それを必死に脳内にメモした。


「着きました。こちらです」


案内された部屋へ入ると、すでに夕餉の準備が始まっていた。


「おぉ!!山崎に、えーっと……」


「新ぱっつあん、もう忘れたのかよ。朝日奈一花だよ。さっき会ったばっかだぞ」


厨の中で料理をしていたのは、永倉と藤堂だった。


『お二人だけで、料理をされてたんですか??』


「ん??あぁそうだ。まぁ、男ばっかりだからな、手の込んだ事はできねーんだけどよ」


藤堂は、笑みを浮かべながらグツグツと煮える鍋を混ぜる。


「さて、我々も手伝いをいたしましょう」


『はい!!』


「なら、この葱を切ってくれ、味噌汁にいれるんだ」


一花は手を洗うと、永倉に渡された葱を、細く切っていく。料理は、嫌いでないので楽しい。


「手際がいいな。やってたのか??」


『え??まぁ、人並みには』


藤堂に覗き込まれ、恥ずかしさを感じながら切っていく。葱を切り終わった後も、指示をされたとおりに手伝いをした。


「後は、皿に分けるだけだな」


永倉が飯だぁ飯だぁ!!と言いながらご飯を茶碗に盛る姿に、笑いをこらえながら味噌汁をお椀に分けていった。