「まぁいいや。山崎君が来たし、後の事は任せようかな。土方さんが、この子に掃除や洗濯を手伝ってもらえって。仕事を教えてやってよ」


「わかりました」


じゃあ、任せたよ。っと去っていく沖田の背中に向かって一花は声をかけ、頭を下げた。


『沖田さん、ありがとうございました!!ココまで連れてきてくださって、助かりました』


頭を上げると、キョトンとした沖田と目が合った。


「あんなことしたヤツに、お礼を言うの??」


『それは……確かに吃驚しましたし、今後はしないでもらえるとありがたいですが。連れてきてくださった事とは別です』


頼まれたわけでもないのに、自主的に案内すると言ってくれたことは嬉しかった。


そう気持ちを伝えると、沖田はクスクスと笑い始めた。


「……ップ。いいね、君みたいな子、むしろ悪戯を今後もしたいくらいだね」


『なに恐ろしいこと言ってるんですか』


嫌いじゃないんだったら、悪戯はしないでくださいよ。


「一つ言うなら、僕は嫌いな人には悪戯なんてしないよ」


そう言うと、沖田は「仕事がんばってねぇ」っと手を振って行ってしまった。