「あれ、逃げないの??抵抗してくれた方が、面白いんだけどなぁ」


あ、この人ドSだ。


「あぁ、それとも、僕に食べられちゃうのを望んでるのかな??」


沖田は、ニヤッと笑うと一花の首筋に顔を埋めた。その所為で話す度に息がかかってくすぐったい。


『や、やめ』


「それ本気の抵抗??そんなんじゃ、あっさり食べられちゃうよ」


「なに馬鹿な事をしているんですか」


スパンッと綺麗な音を立てて沖田の頭がはたかれた。その拍子に腕の力が緩まり、聞き覚えのある声の方へ逃げた。


「忍者さーーん!!」


最初は警戒していた彼も、今では心強い見方だ。彼の背にサッと隠れる。


「忍者ではありません。山崎です」


背に隠れる一花に、間違いを正すと。山崎は逃げられた事に、心底ガッカリな表情を浮かべる沖田をにらんだ。