少し前にあるキミの席。



アタシがジッと見ていると、
いつも気がついて、笑顔で手を振ってくれる。



彼女でもなく、
ただの幼なじみなのに・・・



そんな笑顔でキミが笑うから・・・



だから、だから言えなかったんだ。



“スキ”のたった2文字を。



1秒でもあれば、言えちゃう事なのに



どうしてこんなにも難しいんだろうね?



素直じゃない自分に腹が立つ。



きっと、優しくて、顔も良くて
ケンカも強いキミの事だから



直ぐに彼女なんか出来ちゃうよね。



変な嫉妬心だけが心に生まれる。



そんな時知ったんだ。



キミの転校のはなし。



何で言ってくれなかったの?



アタシの事は聞くくせに、
どうして自分のことは言わないの?



キミは笑顔なのに、アタシは泣いてばかり。



もっと上手に伝えればよかった。



生意気な事ばっかで・・・
もう少し可愛く出来ればよかったのに。



唯一の繋がりだった
幼なじみの関係がなくなれば・・・



もうアタシ達の間には何もなくなるの?



そんなのヤダよ・・・!!



この気持ちが答えなのかは分からない。



だけど、答えにならなくてもいい。



ただこの気持ちが伝われば・・・


もう、なにも望まないから・・・。