あの日、それはわたしがお兄ちゃんの引っ越しを手伝った日
なのだけれど、そこからの三年間はほんとに早かった。

あっという間、だったのだ。

わたしたちはあれから駅前のピザ屋で引っ越し祝いとお疲れさん会をやった。
手伝ってくれた野口くん、そして軽音の後輩の男の子、そしてナディアも
参加して。

その時知ったことだけど、後輩の男の子はなんと無免許運転で
軽トラを返しに行ったのだった。

考えてみれば高校の二年生だ。免許を取れるわけがないのだ。

野口くんは「持っていた」ようだけれど。

言ってみればそんなのどかな、まあ「良い時代」だったわけかもしれない。