うちのクラスは基本的には席替えをしない。教室移動することが多く、一日の半分くらいしか自分の席で授業を受けないせいかもしれない。

授業形態は同じなのに他のクラスでは、頻繁に席替えを行っていると聞いた。うちのクラスで席替えを言い出す人がいないせいかもしれないが。

ともあれ、その事もあり睦月君のお隣になって二ヶ月目になろうとしていた。

隣になった時から100点テストの鶴は折られているので鶴はそこそこの数になっている。


「1、2……」


何の気なしに吊られた折り鶴を数えていく。

隣の睦月君は休み時間な為、今はどこかに行っているようだ。

味気のない白色の折り鶴はよく見るととても丁寧に折られていた。


「あれ?花村さん、何してんの?」


ちょうど数え終わった時に、声を掛けられ慌てて立ち上がった。


「あっ、と、鶴数えてただけ!ビックリしちゃった」


まだ帰ってこないと思っていたため、過剰に反応してしまう。出来るだけ普段通りに勤めたいが、上手くできているかもわからない。


「鶴数えてただけでそんな過剰に反応しなくても、ちなみに俺が折った鶴いくつあった?」

「えっと、19だったよ」


数えたての数を告げると、どうやら彼自身も把握していないようで「へぇ~もうすぐ20かぁ」と初めて知る反応を示した。