結と縁結びの神様

「たまの写真も残ってるから後で見るといい」

「うん! ありがとうお父さん」

お父さんは優しく微笑むと荷物を持って先に家の中へと入る。

その後に続いて入ろうとして私は後ろを振り返った

「そうだ。たしか……」

振り返った先には大きな鳥居が見える。

あそこにはたまが眠っている。

「あとでお墓参りに行こうかな」

そう思って私は扉を閉めた。

☆ ☆ ☆

家の中は十年前と同じく木の匂いがした。

床は傷んでいるのかギシギシ鳴るけどそんなの気にならない。

私は家の中をあちこち見て回る。

「たしかここは珠とよく一緒に寝た場所だったね」

私は縁側に座り込む。

「ポカポカして気持ちいい……」

夏の風が部屋の中に入り込み私の髪を揺らす。

たまがよくここで寝ていたのが分かった気がする。

「結。荷物は部屋に置いておいたからな」

「ありがとうお父さん」

「お父さん、これから仕事に戻るけど結はどうする?」

「この辺歩いてみるよ。たまのお墓参りにも行きたいし」

「あまり遅くならないように帰ってこいよ」

「はーい」

お父さんを見送り私も家の外へと出る。

「ほんとに懐かしいなあ」

小さい頃の記憶を頼りに私はよく遊んだ場所へと足を運んだ。

「あれ? ここたしか公園だったよね?」

よく友達と遊んだ公園はマンションの駐車場へと変わっていた。

「十年経ってるんだもんね……色々と変わって当たり前か」

でも少し寂しい。