結と縁結びの神様

顔ははっきりとは覚えていない、だけど太陽のような笑顔でーー

「大丈夫か?」

男の子は、私にそんな言葉をかけてくれた。

「もしかして、公園で泣いていた時に手を差し出してくれた男の子?」

「え?」

私の言葉に奏汰は驚いて目を見開く。

でも、すぐに嬉しそうな表情を浮かべると私の手を掴む。

「思い出してくれたんだな!」

「で、でも微かだし、あんまりはっきりとは……」

それよりも手、手が……!

「それでもいいよ、すっげぇ嬉しい!」

そう言い、奏汰は嬉しそうに笑顔を浮かべた。

「奏汰って意外と大胆なんだね」

「えっ?」

空汰の言葉でようやく気がついたのか、奏汰は私の手を握っていることに気がつくと、頬を赤く染めて慌てて手を離す。

「ご、ごめん!嬉しくてつい……」

「う、ううん。大丈夫」

珠とお父さん意外の男の人に手を握られたのは初めてだった。

「じゃ、じゃぁ自己紹介に戻る……」

その後は、昔を懐かしむように色々な話しをした。

公園でよく遊んだことや、駄菓子屋でよくお菓子を買って食べたこと、まるで昔に戻ったようだった。

「ねぇ、今週の休日にさ四人で遊ばない?」

「休日に?」

「隣町に遊びに行ったりしてさ」

今週の休日と言ったら、ヒナゲシと花嫁勝負をすることになっている。

「ごめん真花、今週の休日はちょっと用事があって」

「そっかぁ」

真花はがっかりして肩を落とす。

「ごめんね、三人とも」

「大丈夫だよ、僕達も部活があったし、遊びに行くのはまた今度にしよう」

そこでタイミングよくチャイムが鳴り、私たちは別れた。

そして、別れ際に奏汰の声をかけられた。

「なぁ結、今日一緒に帰れないかな?」

「一緒に?」

奏汰の質問に私は首を傾げた。

「二人きりでさ、いろんなところ行ってみないか?」

奏汰の誘いは嬉しかった。

でも、今日は珠たちに着物の着付け方を教わる日だから。

「ごめんね、今日はちょっと用事があって」

「そっかぁ、なら仕方ないな……」

奏汰は、少し残念そうに肩を落とす。

「今度一緒に帰ろうよ」