結と縁結びの神様

「それならあげるわよ」

「でも、着物の着付け方とか知らないし」

「あんたそれでも女かしら?」

珠の言葉にイラッとくる。

「だって、珠たちと違って着る機会が中々ないんだよ!」

「なら、その着物明日持ってきなさい。華たちに着付け方を教えるように伝えておくから」

「あ、ありがとう」

珠が教えてくれるわけじゃないんだ。

「それに、明日は別の着物を着てもらうから」

「また?」

「結び世にいる時は、なるべく着物を着てもらうわよ」

そういえば、朝霧のやヒナゲシたちもみんな着物を着ていた。

よくよく考えれば、私のかっこはあっちの世界では珍しいものだ。

「その着物は、誰が用意してるの?」

「もちろん、私よ?」

「えええ!珠が?!」

衝撃的事実すぎて思わず声をあげる。

じゃあ、この着物も珠が選んでくれたんだ。

「失礼な子ね、あんたに似合う着物くらい選べるわよ」

「そ、そうだよね」

私よりも長年着物を着ているわけだしね。

「じゃあ、明日楽しみにしてるよ」

「とっておきのを選んでおくわよ」

やばい、明日が楽しみだ!