結と縁結びの神様

「私と花嫁勝負してください!」

「花嫁勝負?」

ヒナゲシの言葉に珠たちは脱力する。

「お、怒らないの?」

珠の質問にヒナゲシは首を左右にふる。

私もてっきり怒っていると思ってた。

「正直、怒りよりも驚きました。私いがいにも、珠様には許嫁がいただなんて」

「いえ、そもそも私はまだ」

私の言う言葉を察したのか、珠は私の口をおさえる。

「むう!!」

「でも、花嫁勝負とはまたなんでですか?」

華の質問にヒナゲシは苦しそうに応える。

「私は、これまで珠様のお嫁さんになるべく色々と勉強してきました」

な、なんて熱心な……。

「これでも一応、珠様の許嫁です。なので、どちらが珠様の許嫁にふさわしいのか勝負をお願いします!」

私はちらっと珠の様子を伺う。

珠はとくに焦ったようには見えなくて、逆に安心したように見えた。

「花嫁勝負って、特になんですか?」

「そうですね……、では勝負内容は珠様たちに決めてもらいましょう」

「ま、まじか……」

珠は苦笑しながら私から手を離す。

「それでどうするの小娘?あんたはこの勝負を下りる?」

「私は……」

今の私にとってこの勝負は正直どっちでもいい。

受けても受けなかったとしても、私には関係ない。

でもーー

「受けるよ、その勝負」

後悔するのはいやだった。