☆ ★ ☆
「まったく、珠のばか!」
着物の着付けが終わって、華と波留と一緒に珠の居る部屋へと歩いていたら、部屋の中から聞こえてきたのが。
「私が愛しているのは、ヒナゲシだげだよ」
その言葉が突然聞こえて胸がいたんだ。
「もしかして、ヒナゲシ様がお目覚めになられたのかな?」
「そうかもしれないね」
華と波留は私の後ろで声を潜めて話している。
しかし、声を潜めたところで私の耳には届いていた。
だけど、今の私には関係ない。
私はいま怒りを抑えるので必死なのだから。
「へぇ、珠ってやっぱりあのヒナゲシのこと好きなんだ」
「ゆ、結様?」
私は怒りで肩を震わせる。
やっぱり、「愛してる」とか簡単に言う珠が、私のことをお慕いしているとか絶対あり得ない。
「あれ?皆さんお揃いでどうしたんですか?」
「朝霧?どうしたのお茶なんか持ってきて」
「みなさんでお茶でもと思って」
そんな朝霧の言葉に華と波留は、朝霧と私を交互にみる。
「お茶ねぇ、いいんじゃないかな?」
私は、朝霧に微笑んで見せる。
「ただし、珠ぬきでね」
そして、私は部屋の障子を開けて今に至る。
「いたたた。もぅ何するのよ小娘!」
「それはこっちの台詞だよ。やっぱりその子、珠にとって大切な子なんじゃない」
「ちょ、ちょっと待ちなさい!私の話しを」
「誰が珠の話なんて信じるものかぁ!」
私は、もう一発ハタキで珠の頭を引っ叩く。
そんな私に驚いたのか、ヒナゲシは怯えた瞳を私に向けていた。
「ごめんなさいね、私はこれで失礼するから」
「ちょ、待ちなさいってば!」
珠は私の腕をつかむ。
「もうなに?私は珠と話すことなんてないんだけど?」
私はギロリと珠を睨む。
珠は一瞬怯んだが、それでも私に言葉を続ける。
「まったく、珠のばか!」
着物の着付けが終わって、華と波留と一緒に珠の居る部屋へと歩いていたら、部屋の中から聞こえてきたのが。
「私が愛しているのは、ヒナゲシだげだよ」
その言葉が突然聞こえて胸がいたんだ。
「もしかして、ヒナゲシ様がお目覚めになられたのかな?」
「そうかもしれないね」
華と波留は私の後ろで声を潜めて話している。
しかし、声を潜めたところで私の耳には届いていた。
だけど、今の私には関係ない。
私はいま怒りを抑えるので必死なのだから。
「へぇ、珠ってやっぱりあのヒナゲシのこと好きなんだ」
「ゆ、結様?」
私は怒りで肩を震わせる。
やっぱり、「愛してる」とか簡単に言う珠が、私のことをお慕いしているとか絶対あり得ない。
「あれ?皆さんお揃いでどうしたんですか?」
「朝霧?どうしたのお茶なんか持ってきて」
「みなさんでお茶でもと思って」
そんな朝霧の言葉に華と波留は、朝霧と私を交互にみる。
「お茶ねぇ、いいんじゃないかな?」
私は、朝霧に微笑んで見せる。
「ただし、珠ぬきでね」
そして、私は部屋の障子を開けて今に至る。
「いたたた。もぅ何するのよ小娘!」
「それはこっちの台詞だよ。やっぱりその子、珠にとって大切な子なんじゃない」
「ちょ、ちょっと待ちなさい!私の話しを」
「誰が珠の話なんて信じるものかぁ!」
私は、もう一発ハタキで珠の頭を引っ叩く。
そんな私に驚いたのか、ヒナゲシは怯えた瞳を私に向けていた。
「ごめんなさいね、私はこれで失礼するから」
「ちょ、待ちなさいってば!」
珠は私の腕をつかむ。
「もうなに?私は珠と話すことなんてないんだけど?」
私はギロリと珠を睨む。
珠は一瞬怯んだが、それでも私に言葉を続ける。



