目はぱっちりしていて、くりくりとした瞳で私達を見つめていた。

多分年齢は私よりは下だと思う。

十二……、いや十歳?

「お帰りなさい珠様」

「お帰りなさいじゃないでしょうがっ!」

「いたぁい!」

珠は、握りしめた拳で男の子の頭を殴る。

「あんたねぇ、私の代わりにヒナゲシの面会に出ておいてって言ったわよね?」

「そ、そうですけど、先程ヒナゲシ様に珠様のことをお伝えしたら、迎えに行くときかなくて……」

「なるほどねぇ……」

珠は抱き上げているヒナゲシに視線を向ける。

「とりあえず、この子のせいで死にそうになったのは確かよ」

「も、申し訳ございません……」

男の子は、反省して肩を落とす。

そうとうへこんで見える……。

「珠、そこまで責めなくても」

「これくらい言わないと駄目なのよ、小娘まで怪我をしていたら……」

「えっ?」

私が怪我をしたら?

「珠様、その御方が結様ですか?」

「そうよ」

珠の言葉に男の子は瞳を輝かせて私に近寄る。

「初めまして結様、僕は珠様の神使をさせていただいています。朝霧と申します」

な、なんてご丁寧な挨拶!

思わずこんな弟が欲しかったと思ってしまった。