結と縁結びの神様

珠に連れられて、私は結び世の城下町にへと来ていた。

「ここが、神様や神使たちが着物やかんざし、生活用品を揃えたりする、結び世でもっとも大きい城下町よ」

「ここが……」

私は初めて見る光景にわくわくしていた。

神様も私達と同じく買い物をしたり、茶菓子屋さんでお茶をしていたり、着物の試着をしていて。どの着物にするか悩んでいたり。

「神様も私たちと同じなんだね」

「そうよ。神様だってお茶したりするし、ファッションだってするし、恋だってするわよ」

「恋?」

珠がそんな言葉を口にするのは意外だった。

ということは、珠も一応恋愛経験があるということだ。

「珠も恋愛したことがあるの?」

「あっ……!!」

珠は「しまった」といわんばかりの表情を浮かべた。

「そ、そんなわけないじゃない!この私が恋愛だなんて!」

そんなに慌てるってことはあるんだ……。