結と縁結びの神様

そして、部屋の中に入ってきた人物を見て思わず瞳を見開く。

「た、珠!」

「やっと見つけたわよ」

珠は蓮を睨みつけながらヅカヅカとこちらへ歩いてくる。

「蓮、小娘に変なこと吹き込んでないわよね?」

「別に、ただ縁結び見習いにならないかと提案していたところだ」

「縁結び見習いですって?」

珠は、チラッと私の方を見ると足元に落ちていた着物を拾い上げ、再び私に被せる。

「珠……」

「言っておくけど蓮、小娘は人間よ。こな小娘に縁結びなんて出来るわけないわよ」

「なっ!」

珠の言葉に怒りがこみ上げてきて、私は珠に言い返す。

「なによ!そんなのやって見なくちゃ分からないじゃない!」

「だから、あんたは黙っていなさいって!」

「いいえ黙らない!そもそと、縁結びの仕事をさぼっている珠なんかに言われたくないよ!」

私の言葉にカチンときたのか、珠も負けじと言い返してくる。

「うっさいわね!縁結びのやり方なんて分からない小娘の分際で!」

「そんなの蓮から聞いていくからいいよ!」

「蓮があんたみたいな小娘相手にするわけないでしょ!」

小娘、小娘って……。

なんで珠は、私の名前を呼んでくれないのよ……。