結と縁結びの神様

☆ ★ ☆

「お主、名はなんという?」

「えっと……」

私はいま、さっき珠が蓮と呼んでいた女性の神様の目の前に座っています。

さっき珠が被せてくれた着物の隙間から様子を伺っているんだけど、やっぱりこの人の頭にも耳が生えてる。

神様ってみんな何かしらの動物なのだろうか?

たぶん珠は狐?

いや、猫?

どっちだろう?

そんなことを考えていた時、再び私の耳に蓮の声が届く。

「聞いているのか?珠の女よ」

「は、はい!聞いています!……ん?珠の女ってのは?」

「お主、あそこで珠と逢い引きしていたのだろう?」

「え、ええええ?!」

珠と逢い引きってどういうこと?!

私はさっきの珠と蓮との会話を思い出す。

いや、でも……。

これは、話しを合わせた方がいいのだろうか?

それとも、ちゃんと説明すべきなのかな?

「あ、逢い引きっていいますか……。道を訪ねていたところで」

考えた末にそう応えることしか出来なかった。

「ほぉ、道をねぇ」

蓮は目を細めて私をじっくり見てくる。

その視線が痛くて、私は目を逸らしたくなった。

「ところでもう一度聞くが、名はなんというのだ?」

「な、中務結です」

「結か……。良い名だな」

「あ、ありがとうございます」

私は深々と頭を下げる。

やっぱり、自分の名前を呼ばれるのは嬉しい。

お父さんとお母さんが付けてくれた名前だし、結構自分でも気に入っている名前だ。

それなのに、珠のやつは……!