結と縁結びの神様

☆ ★ ☆

「よぉ珠、こんなところで逢い引きか?」

「何言ってるのよ蓮(れん)。そんなんじゃないわよ」

「ほぉ、この私に嘘をつくのか?縁結び会をサボってまでここにいるんだ。逢い引きいがい考えられないではないか」

こいつは普段の俺をどう思ってるんだ!

だけど……。

俺は、結の方に目を向ける。

こいつの存在だけは、蓮に知られるわけにはいかない。

「ちょっと顔くらい拝ませてくらたっていいだろう?」

「それは勘弁してくださいよぉ、この子は人見知りなのよ」

「ほぉ、人見知りなのか」

蓮は、頭から生える二本の耳をぴくぴくと動かす。

「だがなぁ珠、そやつからは人間の臭いがする」

「っ!」

「それになぁ、目撃情報が入ってるんだ。人間がこの結び世に入り込んだと」

「へぇ、そうなの。初耳だわ」

「だから、そこの女を確かめさせろ」

こいつには、結の臭いが分からないように着物を被せてある。

だが、一歩遅かったようだ。

「ところで蓮、もしこの子が人間だったら、どうしますか?」

「そんなの決まってるだろ?」

蓮は、にこりと笑う。

「なるほどねぇ」

これは、予想以上にやばそうだ。

「それにだ珠。お前は縁結び会をサボった罪を被ってもらわねばならない」

え……。

参加しなかっただけで重い罪があるの?!

知らなかった!