結と縁結びの神様

え!それって誰?!

「ちょっと面白そうじゃないかい。行って確かめて――」

すると、スルスルと引っ張られた赤い糸は珠の方へと伸びた。

「……」

「……」

そして珠の小指に巻き付くと、その糸は私の小指にも巻きついた。

「……もしかしてあんた……」

「な、なんですか?」

「私いがいの縁結びの神様に私と縁を結ばれた?」

な、なんのこと?!

私は激しく頭を左右に振る。

「ま、まぁ良いわよ。こんなの引きちぎればいいだけの話なんだから!」

珠は着物の袖からハサミを取り出す。

「これで!切ってみせるわよ!」

そう意気込んで赤い糸をハサミで切ろうとした瞬間、赤い糸はハサミを押し返した。

「……まさかこれ。私が結んだのぉぉ?!」

珠は表情を歪める。

どうやら縁結びの神様でも、自分で結んだ縁は自分では切れないようだ。

「ちょ、ちょっと待ちなさい。私は、あの縁結び以来人との縁だなんて……」

その話からすると、この人は大分縁結びの仕事をさぼっていると思われる。

「っ!まさか……」

珠はこちらに歩いてくると私の肩に強く手を置く。

「いたっ!」

「あんた名前は何て言うの?!」

「な、名前ですか?」

「早く応えなさい!返答しだいではあんたは人世へは帰れなくなるわよ」

……えええええ?!

いったいどういうこと?!

「わ、私は中務結です」

「なか、つかさ、ゆい……」

私の名前を聞いた珠は体を固まらせると、そのまま後ろへ倒れ込んでしまった。